基礎知識

温泉卵(温玉)と失敗しない火入れの原理と知識

● 今回は温泉卵を作る時に知っておくと便利な、いきすぎた知識を紹介させていただきます。

 

★ 材料

・卵

 

★ 道具

・鍋 ・コンロ ・水温計 ・もしくは温泉・・・笑 ・正直いろんな道具で作れます。

 

★ 作り方

【基本】

・基本は鍋のお湯を火にかけて、湯温を75度にし15分ぐらい加熱すればできます。

【家庭で簡単に】

・家庭で簡単に作りたいときは、お湯を沸かし炊飯ジャーに卵と沸いた熱湯をいれフタをします。最初の卵の温度にもよりますが、10分ぐらいでできます。(常温に戻したほうが上手くいきます。)

・サイズ ・卵の温度 ・入れる卵の量で時間が前後しますので、安定はしませんね。

 

https://youtu.be/aNvpvFFjFpI

 

【調理器材がそろっている場合の考え方と原理】

・今では「コンベクションスチーム」 「バスサーキュレーター」など調理器材の発達により温度設定するだけで失敗なく安定して簡単に作ることができます。 ここからは、卵の成分とタンパク質の変質する温度などから、目的に合わせた火入れの考え方を紹介します。

● 卵の主なタンパク質の成分と変性温度

・卵黄=65℃

・卵白オボトランスフェリン=62℃

・卵白アルブミン=80℃

・水分

これだけ見ると「は?」って感じかと思いますが、卵白だけでみるとタンパク質の成分が2種類あります。卵白の中の成分オボトランスフェリン 12% / アルブミン 54% あと水分。これを前提で今回は説明をします。

温泉卵

・例えば温泉卵で考えた場合、上の変性温度を参考に、65℃から75℃の間を維持できていれば、卵黄は固まりはじめるし、卵白オボトランスフェリンも固まりはじめる、でも水分と卵白アルブミンは固まらないことがわかります。これを利用すると卵白は一部だけ固まってドロドロに、そして卵黄はある程度固まる。だから温泉卵はあの状態なことがわかります。

ゆで卵

・今度はゆで卵で考えた場合は、変性温度を参考にすると、80℃以上を維持すればできることがわかります。全てのたんぱく質を固めていいわけですから。つまり85℃ぐらいに抑えれば、膨張率も抑えれるのでよりヒビの入りにくいゆで卵を作ることもできます。ただ欠点もありまして氷水を使っての温度差の浸透圧を利用した、殻のむきやすい卵を作る効果がうすくなります。温度差が減りますからね。利点は多少時間かけても、白身がゆですぎの状態、固くなりにくことですね。

茶碗蒸し

・今度は茶碗蒸しで考えてみたいと思います。そもそも卵は疎水性の分子構造が・・・とかはおいておきまして、かみくだくと水分を含みやすい特徴があります。しかしこの水分は沸点を超えると分離しはじめます。茶わん蒸しはタンパク質全てを固めればいいのですが、加熱しすぎると水分が分離してしまいます。分離する温度は沸点なので、蒸しすぎると加熱によって結合していたタンパク質から水分が抜けて空気が入ったような状態になってさらには、固くなってしまいます。まとめると、85℃から90℃を維持すれば時間が経っても分離しないので、蒸しすぎなどの失敗がありません、とゆうことです。とは言っても永遠に蒸しては風味はとびますし酸化もしますので、限度はありますので気をつけてください。

 

● 以上になりますが、後半は家庭での再現性は難しいですね。調理場などでコンベクションスチームなどがあれば、変性温度を知っておくだけで安定した美味しい卵料理の量産もできます。ぜひ参考になれば嬉しいです。

余談ですが、卵と玉子の漢字の使い分けは卵が加工前、玉子は加工後になります。卵は鶏卵以外もあてはまりますが、玉子は鶏卵のみです。例外として商品名として売り出している場合は別です。

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