● 今回はスパゲッティのゆで方とゆで汁の基本の説明です。
目次
★ パスタ麺の理想塩分濃度・黄金比は?
・パスタをゆでる際の、ゆで汁の基本塩分濃度はだいたい海水ぐらいです。水に対して1%前後の塩を入れるところが多いですが、実際、塩の種類と合わせるソースによってグラムは多少は変わります。1%を目安に塩をいれてお湯を沸かし、味見をすることを忘れないようにしましょう。

★ 材料
・パスタ麺 100g
・水 1000cc
・塩 10g
・パスタ麺100gに対して、お湯1000ccは欲しいところです。お湯が少ないと麺がくっつく原因にもなります。
★ パスタ麺の作り方・ゆで方
①・鍋に水と塩を入れてわかします。麺は必ずお湯がわいているところに入れます。
②・麺の入れたては麺の表面が、くっつきにやすい状態ですのでよく混ぜます。
③・麺をいれてから、再びお湯が沸くまで強火でできるかぎり早めに湯温をあげます。(麺のくっつき防止になります)
④・吹きこぼれやすいので、沸いてきましたら、表面が波打つ程度に火加減をします。
★ パスタ麺をゆでる時に塩を入れる理由?

・くどくない仕上がりになる
・基本的にパスタは、麺にしっかり下味をつけ、ソースは薄めの塩加減にして味を足さないことが多いです。麺の味を薄く、ソースを濃いめの味付けてしまいますと、食べはじめは美味しくても、食べ進めていくうちに、くどくからくなってきてしまいます。麺にしっかり味をつけてソースを薄味にすることにより、味がくどくない仕上がりになり、最期まで飽きることなく食べることができます。
・麺にコシがでる
・パスタの小麦粉に含まれているグルテンは、塩をいれることで弾力が増します。弾力が増すことで麺にコシも出て、食感も良くなります。
・ソースのからみをよくする
・パスタ麺をゆでる時に塩をしっかり入れる理由のひとつに、麺の表面にザラつきを与える役割もあります。ザラつきを与えることで、ソースのカラミをよくし、味がのりやすくなります。
なぜパスタは麺をつくる時に塩を混ぜないのか?
そもそもなぜ、日本のうどんやそばのように、麺をつくるときに直接塩を練り込まないのかと思うところですよね。そうすればゆでる時、楽なのに。
これには理由があります。パスタの本場イタリアは水の硬度が高いため、やわらかい日本の水のように、塩を練り込んだ麺ではうまくコシをのこしてゆであげることができません。塩をぬいて麺をつくり、さらに水に塩を足して硬度をあげることで塩の入っていないパスタと麺との相性をあげる文化に発展していったのでした。
・ゆで上がりに麺を味見し、この時点で麺だけでも美味しくべれるぐらいの塩加減にもっていけるのが理想的です。
★ アルデンテとオーバーボイルの使い分け

・アルデンテとは?
アルデンテはパスタの乾麺などをゆでる時、少し固めに髪の毛1本ぐらいの芯を残した状態でゆであげることをいいます。
・オーバーボイルとは?
オーバーボイルはわざと、ゆですぎてやわらかくした麺状態のことをいいます。オーバーボイルをわざとして、さらに表面をパリッと炒めた状態を「逆アルデンテ」とよぶ人もいます。
・使い分けの簡単な考え方
簡単な使いわけの考え方を紹介します。基本的にソースにからめて仕上げるパスタは、アルデンテで行います。逆にオーバーボイルするもので、代表的なメニューはあんかけパスタ・ナポリタンなどがあります。この2種類の違いは、ソースをからませるタイプか、焼きそばのように麺の表面を炒め、さらに麺の表面にザラつきをあたえて味付けするタイプかの違いになります。麺を炒めて表面をパリッとさせるとゆうことは、アルデンテで仕上げて芯までしっかりしていると、ただ中も表面も固い麺のナポリタンなどができあがってしまいますよね。ここを理解していただけているだけで、自分でどうするか、使い分けることも可能になってくるかと思います。
ちなみに、オーバーボイルさせて、氷水でしめてから炒めてナポリタンやあんかけパスタにすると、もちもち麺のナポリタンが作れたりします。お試しあれ!
料理の基本は目安であって、例えばラーメンと一緒でアルデンテを好まない人もいますので、食べさせてあげたい相手の好みを知っておくことが重要です。
★ パスタ麺の時短テクニック
パスタ麺はあらかじめ、ゆで汁と同じ塩分濃度の塩水( 1000ccに10g )に漬けてやわらかくしておくことで、麺のゆで時間のショートカットができます。
・注意点としては、あくまでショートカットなので乾麺からゆでた麺より、食感はやっぱり落ちます。ネット検索かけると、まるで生パスタにできるテクニックなどの誇張した表現もありますが、いやいや、生パスタ麺食べたことないの?って思ってしまいます。笑
・ソースの種類にもよりますが、麺をつけておいた塩水を少し足してあげることが、上手くつくるコツになります。
● 実はホテルやレストランでもとりいれているところは結構あります。僕自身覚えたのは、イタリア料理レストランのオーダーバイキングでしたので
・パスタ麺がどれだけでるかわからない。オーダー量にブレ幅がある。製作に時間をかけれない。
・ゆでおきしておいた麺より、いい状態で提供したい。
・現場でもこんなときは使います。オススメです。
・ちなみによくソースに乾麺を直接いれてつくる時短レシピもあがってますが、やってみましたが、ソースが粉臭くなって、正直、個人的に我慢して食べるレベルです。美味しくありません。時短をしたいならこちらの方をオススメします。

● 余談ですが、パスタの麺にはこだわったほうがいいです。特に日本人は麺の食感にこだわる食文化と感覚をもっていますので、麺は大切かと思います。○分でゆでれますなどの商品は早くゆであげるように、中に細かい空洞があったりします。この麺で美味しくゆであげるのは、なかなか無理があったりします。とはいえ美味しさか、制作時間かの兼ね合いもありますので、漬け時間などを確保できるなら、時短テクニックでいいと思いますし、うまく使い分けていただけたらと思います。